【エビデンス】ビタミンCの5つの効果!NOサポートする摂取法

ビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれ、私たちの健康に欠かせない水溶性のビタミンです。人間の体はビタミンCを自ら生成する能力がないため、食事を通じて外部から摂取する必要があります。

ビタミンCは、NO系(一酸化窒素)の成分にとって抗酸化作用のあるビタミンCは、活性化する働きを持っており、ビタミンCは健康的に過ごすためにもなくてはならない成分になります。

この記事では、ビタミンCの効果や効果的な摂取方法についてお話しします。

※臨床試験(エビデンス)の成分データは、医薬品とは違い効果を保証するものとしてではなく、成分の基本的な知識として参考にしてください。

ビタミンCの豊富な食材

ビタミンCはアセロラ、キウイ、レモンなどのフルーツやピーマン、ブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。ビタミンCは熱に弱いため、これらの食材を生で摂取することが推奨されます。

ビタミンCの主な働き

  1. 抗酸化作用: ビタミンCは強力な抗酸化物質であり、体内で発生する活性酸素を無害化する働きを持ちます。この活性酸素の除去により、酸化ストレスから細胞を保護し、老化防止や病気の予防に寄与します。
  2. 栄養素の吸収促進: 食物中の栄養素を還元し、吸収しやすい状態に変える効果があります。特に、鉄分の吸収を助ける働きが知られています。
  3. コラーゲン合成: ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠であり、肌や血管、骨などの健康維持に重要です。

ビタミンCのNO産生サポート

NO(一酸化窒素)は、自然に身体に溜まってしまう活性酸素を除去ケアしてくれるため、NOは徐々に減少してしまい、本来の役目を果たす前にNOが不足してしまう場合があります。

しかし、抗酸化作用がある成分を摂取することで、活性酸素に弱いNOをケアしつ続け、NO本来の力を発揮してくれるようになります。

強い抗酸化作用を持っている「ビタミンC」は、NOをケアする役割があります。また、NOを作る酵素(NOS)の活性をサポートする事でNOの産生ブーストの役割も担ってくれるのです。

抗酸化作用がある成分を摂取する事でNOのケアだけでなく、酵素(NOS)の活性をサポート(ブースト)する2つの役割を担ってくれる可能性がある優れものです。

「NO系」の成分と同時に「抗酸系」の成分の同時摂取をすることにより効率的にNOを身体に届けてくれるデータがあります。

参考文献

Concurrent supplementation of arginine, vitamin E, and vitamin C improve cardiopulmonary performance in broilers chickens

ビタミンCの健康的な効果4選

ビタミンCは健康維持に重要な役割を果たす栄養素です。以下では、科学的に実証されたビタミンCの主な効果と効果的な摂取方法についてご紹介します。

高血圧の改善

ビタミンCは血圧を下げる効果が期待できます。これはビタミンCが血管の弾力を維持し、酸化ストレスを軽減することにより血圧を低下させるからです。1993年のアメリカの研究では、血中ビタミンC濃度が高い人ほど収縮期血圧が低いという逆相関が確認されました。

他の研究で、2011年のイギリスの研究では、血中ビタミンC濃度が上位25%の人が、下位25%の人に比べて高血圧になるリスクが22%低いことが示されています。血圧の改善には、食生活の見直しと共にビタミンCの摂取が推奨されます。

また、勃起不全(ED)の有病率は、正常血圧者と比較して高血圧患者で約2倍高くなることが報告されていることからも、ED予防のためにもビタミンCは重要になります。

参考文献

Moran JP, Cohen L, Greene JM, Xu G, Feldman EB, Hames CG, Feldman DS. Plasma ascorbic acid concentrations relate inversely to blood pressure in human subjects. Am J Clin Nutr. 1993 Feb;57(2):213-7.

Myint PK, Luben RN, Wareham NJ, Khaw KT. Association between plasma vitamin C concentrations and blood pressure in the European prospective investigation into cancer-Norfolk population-based study. Hypertension. 2011 Sep;58(3):372-9.

Viigimaa M, Vlachopoulos C, Lazaridis A, Doumas M. Management of erectile dysfunction in hypertension: Tips and tricks. World J Cardiol. 2014 Sep 26;6(9):908-15.

肥満のケア

ビタミンCは抗酸化作用によって肥満の予防にも役立つ可能性があります。2017年のオーストラリアでのレビューでは、ビタミンCなどの抗酸化物質が多いほど体脂肪率が低くなることが示されました。

参考文献

Hosseini B, Saedisomeolia A, Allman-Farinelli M. Association Between Antioxidant Intake/Status and Obesity: a Systematic Review of Observational Studies. Biol Trace Elem Res. 2017 Feb;175(2):287-297.

風邪の治癒の促進

ビタミンCの日常的な摂取は、風邪の治癒を早める効果があります。2016年のアメリカのレビューでは、ビタミンC摂取が風邪の症状期間を8%短縮することが示されました。しかし、風邪予防に関しては、激しい運動をする人を除き、一般の健康な人には大きな効果は確認されていません。

参考文献

Bucher A, White N. Vitamin C in the Prevention and Treatment of the Common Cold. Am J Lifestyle Med. 2016 Feb 9;10(3):181-183. 

肌を正常に保つ効果

ビタミンCとビタミンEの併用は、皮膚の健康維持に役立つことが示されています。1998年のドイツでの研究では、これらのビタミンC、Eを50日間摂取したグループが日焼けによる炎症を軽減しました。また、2008年のアメリカの研究では、ビタミンC摂取量が多い女性は皮膚老化のリスクが低いことが判明しました。

ビタミンCが私たちの健康に及ぼす多方面の影響が確認できます。適切なビタミンC摂取は、血圧の正常化、風邪の回復促進、肌や骨の健康、さらには肥満の予防にも寄与することが分かります。日常の食生活にビタミンCを積極的に取り入れることが、健康維持の鍵となります。

参考文献

Fuchs J, Kern H. Modulation of UV-light-induced skin inflammation by D-alpha-tocopherol and L-ascorbic acid: a clinical study using solar simulated radiation. Free Radic Biol Med. 1998 Dec;25(9):1006-12.

Cosgrove MC, Franco OH, Granger SP, Murray PG, Mayes AE. Dietary nutrient intakes and skin-aging appearance among middle-aged American women. Am J Clin Nutr. 2007 Oct;86(4):1225-31.

ビタミンCの効果的な摂取方法と副作用

ビタミンCは、その多様な健康効果から日常生活において重要な栄養素です。ここではビタミンCの摂取に関するガイドラインと注意点について詳しく説明します。

推奨摂取量

日本の厚生労働省による食事摂取基準では、成人の1日あたりのビタミンCの推奨摂取量は100mgとされています。これは、抗酸化作用などビタミンCの効果を得るための適切な血中濃度を維持する量です。

相性が良い成分

ビタミンCは、単独で摂取しても抗酸化作用により健康的な効果をもたらしますが、ビタミンCの作用を強化する脂溶性である「ビタミンE」と組み合わせることでより機能します。また、NO産生を目的とするならば「アルギニンやシトルリン」などアミノ酸と同時に摂取することで相性がいいです。

参考文献

Telang PS. Vitamin C in dermatology. Indian Dermatol Online J. 2013 Apr;4(2):143-6.

Rozman B, Gasperlin M, Tinois-Tessoneaud E, Pirot F, Falson F. Simultaneous absorption of vitamins C and E from topical microemulsions using reconstructed human epidermis as a skin model. Eur J Pharm Biopharm. 2009 May;72(1):69-75.

副作用

ビタミンCは、体内にとってなくてはならない成分なので基本的にビタミンCによる副作用はなく安全性が高いです。しかし、過剰摂取について注意が必要です。

健康な人が1日あたり1g以上のビタミンCを摂取しても、大部分が尿で排出され、特に健康上の害はないとされています。しかし、1日3-4g以上の摂取量では下痢や吐き気などの消化器系の副作用が発生する可能性があります。特に腎機能に障害がある人は、ビタミンCの過剰摂取が腎結石のリスクを高めることが知られているため、サプリメントを使用する際には注意が必要です。

ビタミンCの必要量は個人の生活習慣や健康状態によって異なります。例えば、喫煙者は非喫煙者よりも多くのビタミンCが必要とされます。これは、喫煙がもたらす酸化ストレスに対抗するために、より多くのビタミンCが消費されるためです。

参考文献

John N Hathcock, Angelo Azzi, Jeffrey Blumberg, Tammy Bray, Annette Dickinson, Balz Frei, Ishwarlal Jialal, Carol S Johnston, Frank J Kelly, Klaus Kraemer, Lester Packer, Sampath Parthasarathy, Helmut Sies, Maret G Traber,Vitamins E and C are safe across a broad range of intakes1,2,The American Journal of Clinical Nutrition,Volume 81, Issue 4, 2005

まとめ

ビタミンCはその抗酸化作用や免疫系のサポートなど、多方面にわたる健康効果を持つ重要な栄養素です。普段の食事を通じて適切な量を摂取することが、健康な生活を送る上での鍵となります。

ビタミンCは水溶性なので、継続的に摂取し続けることが成果を実感するために必要なので、サプリメントを利用したり継続しやすい方法を選択することが重要になりますね。

また、「ビタミンC」を単体で摂取するよりも「ビタミンE」や「アルギニンやシトルリン」などNO系成分と掛け合わせて摂取した方が、目的を果たすために適切なアプローチができたりと「適切な成分量」と「適切な組み合わせ」を考えた継続的な摂取は大切ですね。

ただし、個人の状況に応じて必要量が変わることや、過剰摂取に際しての注意点を理解することも重要です。これらの情報を基に、バランスの良い食生活やサプリメントの使用を考えてみてください。