バイオペリンで吸収率を高める!効能と副作用について

バイオペリンは、黒コショウから抽出されるピペリンを主成分とするエキスであり、近年、その健康効果に対する関心が高まっています。特に、食事から摂取した栄養素の体内での利用効率を高める作用(吸収率)が注目されており、さまざまなサプリメントと組み合わせて使用されることが多いです。

バイオペリンは、私たちの健康維持に役立つ可能性がある、非常に興味深い成分です。この成分は、主に黒コショウから抽出されたピペリンを95%以上含むエキスであり、黒コショウの辛味成分であるピペリンに着目して作られました。

黒コショウは世界中の料理で使用される人気のスパイスであり、その健康効果が注目されています。ピペリン自体はアルカロイドの一種であり、古くからスパイスとしてだけでなく、健康にも良いとされています。

Takooree, H., Aumeeruddy, M. Z., Rengasamy, K. R. R., Venugopala, K. N., Jeewon, R., Zengin, G., & Mahomoodally, M. F. (2019). A systematic review on black pepper (Piper nigrum L.): from folk uses to pharmacological applications. Critical reviews in food science and nutrition, 59(sup1), S210–S243. https://doi.org/10.1080/10408398.2019.1565489

バイオペリンの効果

バイオペリンの最も特筆すべき特徴は、他の成分の体内での利用率を向上させる能力にあります。この「生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)」の向上効果により、バイオペリンは他のサプリメントや栄養素の吸収を助け、その効果を最大化するために使用されることが多いです。

例えば、アミノ酸、ビタミンやミネラル、抗酸化作用がある成分、ハーブなど、さまざまな栄養素の吸収率を高めることが研究によって示されています。これは、摂取した栄養素が全身を循環しやすくなることを意味します。

バイオペリンは、小腸の上皮細胞で熱産生ホルモンの放出を刺激することが研究で明らかにされており、これによりバイオアベイラビリティの向上が促されます。

なので、摂取する成分を最大限、体の中で吸収したい方にとって最適なサポート成分となり得ます。

Fernández-Lázaro, D., Mielgo-Ayuso, J., Córdova Martínez, A., & Seco-Calvo, J. (2020). Iron and Physical Activity: Bioavailability Enhancers, Properties of Black Pepper (Bioperine®) and Potential Applications. Nutrients, 12(6), 1886. https://doi.org/10.3390/nu12061886

バイオアベイラビリティを高める成分

バイオペリンと組み合わせることで、通常よりもはるかに高いバイオアベイラビリティを得ることができる栄養素が複数あります。

例えば、クルクミンの場合、バイオペリンとの同時摂取により、そのバイオアベイラビリティが単独摂取時の200倍にもなると報告されています。ビタミンB6の場合、バイオアベイラビリティが単独摂取時の2倍以上、ビタミンCは1.5倍以上、他にもコエンザイムQ10、ベータカロチンの血中濃度もバイオペリンの併用によって増加することが示されています。

このように、バイオペリンは、ピペリンが持つ特有の発熱特性を活用して、私たちの体が栄養素をより効率的に吸収し利用する手助けをします。その結果、ビタミンやミネラル、アミノ酸など、さまざまな栄養素の健康効果を最大限に引き出すことが可能になります。

他にもさまざまな成分がバイオペリンと併用することで、バイオアベイラビリティを高めることができるとされています。

ハーブエキス:(例:クルクミン、緑茶ポリフェノール、イチョウ葉エキス、アシュワガンダ 、カプサイシンなど)。

ビタミン:(例:ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンアミド、ビ タミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど)

抗酸化物質:(例:ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、α-カロテン、β-カ ロテン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、フラボノイド、ゲルマニウム、セレン、亜鉛など)

アミノ酸:(例:リジン、イソロイシン、ロイシン、スレオニン、バリン、 トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなど)

ミネラル:(例:カルシウム、鉄、亜鉛、バナジウム、セレン、クロム、ヨウ素、カリウム、マンガン、銅、マグネシウムなど)

臨床試験では、バイオペリンはハーブ抽出物、水溶性および脂溶性ビタミン、抗酸化物質、アミノ酸、ミネラルなどのさまざまな成分の生物学的利用能を30%以上高めることが示されていることからも、バイオペリンは成分吸収を考慮するなら最良なサポート成分です。

バイオペリンの使用方法

推奨量

臨床試験では、バイオアベイラビリティが認められた成分量が「1日5mg〜10mg」です。

ピペリンが持つ独特の「発熱効果」は、小腸の上皮細胞でカテコールアミンの放出を促進し、結果として、体内での栄養素の利用率を高めることが科学的に確認されています。そのため、特性上、摂取したい栄養素と同時に摂ることで、その栄養素のバイオアベイラビリティ、すなわち体内での利用効率を高めることができます。

なので、「アミノ酸+バイオペリン(5mg)」「ビタミン+バイオペリン(5mg)」「ハーブ+バイオペリン(5mg)」など、同時摂取することでそれぞれの成分の利用効率を高めた摂取方法が望ましいです。

副作用と安全性

バイオペリンの主成分であるピペリンは遺伝毒性や免疫毒性が確認されていないため、通常の摂取量では副作用の心配はありません。また、研究にて1日摂取量の250倍を摂取しても、成長、臓器、血液成分などのパラメータに悪影響を及ぼさなかったことからも、安全性は高いです。

しかし、必ずしも、すべての人にとって副作用がないわけではありませんし、薬物との相互作用が懸念される場合があるため、既存の健康状態や摂取中の薬物がある場合は、医師や薬剤師と相談の上で摂取することをお勧めします。

まとめ

バイオペリンの主成分であるピペリンは、「血糖値の改善」「代謝の改善」「精神の安定」「認知機能を改善」など様々なデータがありますが、少量の摂取で期待できる効果はバイオアベイラビリティです。

バイオペリンの摂取により、多くの栄養素の吸収率と効果を高めることが可能であり、この独特の特性により、バイオペリンは日々の健康管理や栄養補給において有効なサポートを提供します。

バイオペリンを適切に摂取することで、目的としている成分の効率的な利用と健康維持に貢献してくれますね。