【論文】シトルリンの効果5選!効果的な摂取方法

シトルリンは体内で生成されるアミノ酸で、アルギニンに変換されます。アルギニンは血流をサポートする作用があり、これは血管を広げる一酸化窒素(NO)の生成によるものです。

特に血管トラブルを抱えている人において、アルギニンの血管拡張能力が有益であることが示されています。また、シトルリンは、血管に対する同様の影響により、勃起不全(ED)の症状にアプローチしてくれます。

なので、この記事ではシトルリンの男性へ期待できる効果や効果的な摂取方法について論文に則りお話しします。

※臨床試験(エビデンス)の成分データは、医薬品とは違い効果を保証するものとしてではなく、成分の基本的な知識として参考にしてください。

シトルリンの勃起機能に対する効果

シトルリンはアルギニンに変換され、血管を広げる一酸化窒素(NO)の生成を増加させます。勃起の仕組みにおいて健康的な血流は重要な部分ですので、理論的には、シトルリンはEDを軽減する助けとなる可能性があります。

勃起のプロセスにおいて、一酸化窒素は陰茎内の勃起組織への血流を制御する平滑筋組織をリラックスさせる重要な役割を果たします。シトルリンはアルギニンに変換され、一酸化窒素の生成を助けます。

現在の研究、24人の中程度または軽度のEDを持つ男性を対象に行われた小規模な研究では、経口シトルリンサプリメントが勃起硬さのスコアと全体的な性的満足度を改善したと報告されました。

別の小規模な日本の研究では、ポリフェノールの一種であるトランスレスベラトロールとシトルリンサプリメントがEDに効果的であることが示されました。

ただ、シトルリンに関するEDの効果についての研究は限られており、大規模な無作為化臨床試験でED治療の安全性を評価するには至っていませんが、シトルリンが血管にとってポジティブな影響を与えることが示されています。

参考文献

Luigi Cormio, Mario De Siati, Fabrizio Lorusso, Oscar Selvaggio, Lucia Mirabella, Francesca Sanguedolce, Giuseppe Carrieri, Oral L-Citrulline Supplementation Improves Erection Hardness in Men With Mild Erectile Dysfunction, Urology, Volume 77, Issue 1, 2011,

Shirai M, Hiramatsu I, Aoki Y, Shimoyama H, Mizuno T, Nozaki T, Fukuhara S, Iwasa A, Kageyama S, Tsujimura A. Oral L-citrulline and Transresveratrol Supplementation Improves Erectile Function in Men With Phosphodiesterase 5 Inhibitors: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Crossover Pilot Study. Sex Med. 2018 Dec;6(4):291-296.

シトルリンの健康に関する効果

シトルリンの効能は、男性機能に関するデータだけではなく様々な健康的な効果が期待できます。

運動パフォーマンス向上

シトルリンの摂取が、「パフォーマンス向上」「筋肉の疲労感の軽減」「筋肥大」に役立つ可能性があるという研究結果があります。日常の体の疲れやスタミナを高めたい方にとって、シトルリンは貴重なサポートを提供することが期待されます。

2016年の日本での研究では、定期的にトレーニングを行う健康な成人男性を対象に、シトルリンサプリメントの効果をテストした結果、タイムトライアルのパフォーマンスが有意に向上したことがわかりました。また、それと同時に疲労感も少ないと答えたのです。

他の研究では、シトルリンから生成される一酸化窒素(NO)には、血管の拡張を通じた酸素供給の改善や筋細胞の発達を促進する効果により筋肥大をサポートする効果が期待できることを示唆されています。

また、シトルリンは運動後の成長ホルモン(GH)の増加を促進する可能性があり、アスリートにとっても注目されている成分になります。

参考文献

Anderson JE. A role for nitric oxide in muscle repair: nitric oxide-mediated activation of muscle satellite cells. Mol Biol Cell. 2000 May;11(5):1859-74.

Suzuki T, Morita M, Kobayashi Y, Kamimura A. Oral L-citrulline supplementation enhances cycling time trial performance in healthy trained men: Double-blind randomized placebo-controlled 2-way crossover study. J Int Soc Sports Nutr. 2016 Feb 19;13:6.

Sureda A, Córdova A, Ferrer MD, Pérez G, Tur JA, Pons A. L-citrulline-malate influence over branched chain amino acid utilization during exercise. Eur J Appl Physiol. 2010 Sep;110(2):341-51.

血圧の低下

シトルリンが体内で代謝される過程で生成される一酸化窒素(NO)は、その強力な血管拡張作用により、血圧の低下を促進するとされています。特に血圧の上昇が気になる方にとって、シトルリンの摂取は有効な選択肢となり得ます。

2019年に行われたシトルリンの血圧に対する効果を評価するためのメタアナリシス研究では、22歳から71歳までの成人を対象にした8つの臨床試験が分析されました。

これらの試験では、被験者に1日3gから9gのシトルリンを1週間から17週間の期間で摂取させた結果、シトルリン摂取によって、血圧が低下の傾向にあることがわかりました。

他の研究で、高血圧やその他の心臓病を持つ成人におけるシトルリンサプリメントの効果が調べられました。その結果、参加者の血圧が8週間後に4~15%低下したことがわかりました。

シトルリンは血管の拡張能力を向上させる可能性があり、これによって血圧の調整や組織への血流の向上が期待できます。

シトルリンは、血圧を低下させ、動脈の拡張能力に関する効果からも血流に直結する勃起機能にもポジティブな影響をもたらすデータがあります。

参考文献

Barkhidarian B, Khorshidi M, Shab-Bidar S, Hashemi B. Effects of L-citrulline supplementation on blood pressure: A systematic review and meta-analysis. Avicenna J Phytomed. 2019 Jan-Feb;9(1):10-20.

Orozco-Gutiérrez JJ, Castillo-Martínez L, Orea-Tejeda A, Vázquez-Díaz O, Valdespino-Trejo A, Narváez-David R, Keirns-Davis C, Carrasco-Ortiz O, Navarro-Navarro A, Sánchez-Santillán R. Effect of L-arginine or L-citrulline oral supplementation on blood pressure and right ventricular function in heart failure patients with preserved ejection fraction. Cardiol J. 2010;17(6):612-8.

シトルリンの効果的な摂取法

シトルリンとアルギニンのどっちが効果があるのか

単体摂取なら「シトルリン」の方がアルギニンよりもNO増加の期待ができます。しかし「シトルリン」と「アルギニン」の同時摂取の方が、相性が良いので、よりNO増加をもたらします。

NO系でも代表的な「アルギニン」や「シトルリン」、この2つの成分を利用して、私たちの体内に自然に存在する仕組みを活かしてNOを増やします。

NOを産生するのに「アルギニン」→「シトルリン」→「アルギニン」→「シトルリン」が交互に入れ替わりつつNOを体内で繰り返し産生するのです。

そして、アルギニンよりもシトルリンの方が体内効率が良い事が分かっています。なので、どちらかを摂取するならシトルリンの方が体内効率がいいので血管拡張、血流促進にとってプラスの影響をもたらす可能性があります。

シトルリンと相性がいい成分

日本を含む複数の研究で、経口シトルリンとアルギニンの組み合わせがNOの体内効率が効果的かつ迅速に増強することが報告されています。また、シトルリンはNO増加にとってNO3であるビートルート(ビーツ)と相性がいいことが研究でわかりました。

どの研究データもシトルリンを摂取して即効性が期待できるものではなく継続的に摂取を続けることで一定の成果が表れています。

参考文献

Agarwal U, Didelija IC, Yuan Y, Wang X, Marini JC. Supplemental Citrulline Is More Efficient Than Arginine in Increasing Systemic Arginine Availability in Mice. J Nutr. 2017;147(4):596-602.

Khalaf D, Krüger M, Wehland M, Infanger M, Grimm D. The Effects of Oral l-Arginine and l-Citrulline Supplementation on Blood Pressure. Nutrients. 2019 Jul 22;11(7):1679.

Burgos J, Viribay A, Fernández-Lázaro D, Calleja-González J, González-Santos J, Mielgo-Ayuso J. Combined Effects of Citrulline Plus Nitrate-Rich Beetroot Extract Co-Supplementation on Maximal and Endurance-Strength and Aerobic Power in Trained Male Triathletes: A Randomized Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. Nutrients. 2021;14(1):40. Published 2021 Dec 23.

Kim IY, Schutzler SE, Schrader A, Spencer HJ, Azhar G, Deutz NE, Wolfe RR. Acute ingestion of citrulline stimulates nitric oxide synthesis but does not increase blood flow in healthy young and older adults with heart failure. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2015 Dec 1;309(11):E915-24.

シトルリンを摂取するタイミング

シトルリンの効果を最大限に引き出すためには、摂取方法に注意が必要です。シトルリンは体内で迅速に吸収され、特定の効果にはアルギニンへの変換が重要とされています。

アルギニンへの変換には時間がかかるため、血中濃度が最大になるのはシトルリン摂取後約90分から2時間程度とされています。

しかし、成分が筋肉に貯蔵され、血管拡張に必要な時に迅速に利用できるので、狙ったタイミングで摂取することも大切ですが、継続的に摂取することが大切になります。

参考文献

Moinard C, Nicolis I, Neveux N, Darquy S, Bénazeth S, Cynober L. Dose-ranging effects of citrulline administration on plasma amino acids and hormonal patterns in healthy subjects: the Citrudose pharmacokinetic study. Br J Nutr. 2008 Apr;99(4):855-62.

シトルリンの副作用と推奨量

シトルリンに関する長年の研究によって、危険な副作用について報告されておらず、基本的には危険な副作用はなく安全性は高いです。そして、食品安全員会によると、1日のシトルリン推奨摂取量は800mgとされています。

シトルリンがEDに効果を発揮するまでの時間を評価する大規模な研究は実施されておらず、「シトルリンがEDに効果を発揮するまでの時間」については不明確です。ですが、既存の2つの研究における治療期間はそれぞれ2ヶ月であり、短期的ではなく継続的な摂取が必要であると報告されています。

まとめ

シトルリンはアルギニンとともに、アスリートにとっても注目されている成分であり、様々な健康的なポジティブサポートする役割を持っています。また、特に男性にとって勃起機能にポジティブな影響を与えるなどのデータがあるように、メンズパフォーマンスを支えてくれるスーパーアミノ酸になります。

シトルリンは、スイカやキュウリ、メロンなどのウリ科植物に豊富に含まれるアミノ酸であり、継続的に摂取し続けることが成果を実感するために必要なのですが、食事として継続的に摂取することが難しいと感じる人も少なくありません。

成果を実感するためには継続的に摂取し続けることが必要なので、サプリメントを利用したり継続しやすい方法を選択することが重要になりますね。

また、シトルリンを単体で摂取するよりも「シトルリン」や「ビートルート(ビーツ)」など論文で相性が良いことが報告された成分を掛け合わせて摂取した方が、目的を果たすために適切なアプローチができたりと、「適切な成分量」と「適切な組み合わせ」を考えた摂取は大切ですね。