ビタミンDでテストステロン増加!驚きの効果6選

ビタミンDは必須栄養素で、食事から摂取することが基本ですが、体内でも皮膚が太陽の紫外線に晒されることで合成されます。日照時間が短い冬季や日光浴の機会が少ない場合、食事からのビタミンD摂取がさらに重要になります。

また、ビタミンDと男性機能には大きな関係性がありますので、この記事ではビタミンDでテストステロンの影響や健康的な効果についてお話しします。

ビタミンDについて

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨や歯の健康をサポートします。魚介類、肉類、卵、乳製品、きのこ類などが主なビタミンDの食事源です。ビタミンD不足は、カルシウム吸収の低下やくる病、骨軟化症、骨粗鬆症のリスクを高めます。

ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、脂質と一緒に摂取することで吸収が促進されます。水溶性ビタミンと異なり、過剰摂取すると体内に蓄積されるため、サプリメントの過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンDの過剰摂取は高カルシウム血症を引き起こし、消化器系のトラブルや腎機能障害、血管の石灰化の原因となることがあります。

また、ビタミンDはテストステロンの合成にも関係しており、不足すると骨粗鬆症だけでなく、性機能の低下にも繋がります。テストステロンとは、性機能や筋肉の維持、精神的な活力に影響を与えるホルモンです。

ビタミンDとテストステロンの関係

テストステロンは主に精巣で合成され、精巣にはビタミンD受容体が存在します。ビタミンDが精巣の受容体と結合することで、テストステロンの合成を促進する可能性があります。

この過程では、ビタミンDがコレステロールからテストステロンの前駆体への変換酵素の活性化を促し、テストステロンの合成を高めます。人間の精巣細胞の研究結果では、ビタミンDの影響でビタミンD受容体の活性化とテストステロン合成が増加することが確認されました。

ビタミンDサプリメントの摂取が、血中のテストステロン量を増加させる可能性が示唆されています。

参考文献

Hofer D, Münzker J, Schwetz V, Ulbing M, Hutz K, Stiegler P, Zigeuner R, Pieber TR, Müller H, Obermayer-Pietsch B. Testicular synthesis and vitamin D action. J Clin Endocrinol Metab. 2014 Oct;99(10):3766-73.

ビタミンDとテストステロンの研究

ビタミンDとテストステロンは体内で相関関係にあることが確認されました。

ビタミンD欠乏症の中年男性を対象にした研究では、高用量ビタミンD治療後にテストステロンや性機能の改善が見られました。

そして他の研究では、ビタミンDが不足している状態では、血中テストステロン濃度も低下していることが示され、既に適切なビタミンD量を確保している場合、ビタミンDの追加摂取によるテストステロン濃度の増加は見られませんでした。

ビタミンDの不足がある場合、サプリメントによる補充はテストステロン合成の促進に効果的です。しかし、適切なビタミンD量が確保されている場合には、サプリメントの追加摂取によるテストステロン増加の効果は限定的なんですね。

ただ、東京慈恵会医科大学の5,518人を対象にした研究で、98%がビタミンD不足に該当していたことを明らかにしたように、ほとんどの方がビタミンD不足である可能性があるのでビタミンDを食事や日光、サプリメントから日頃から意識的に摂取する価値がありますね。

このように、ビタミンDの適切な摂取は、男性の健康維持において非常に重要であると言えます。では、男性機能の他にも健康的にメリットがある効果をお話しします。

参考文献

Onder Canguven, Raidh A Talib, Walid El Ansari, Dany-Jan Yassin, Abdullah Al Naimi. Vitamin D treatment improves levels of sexual hormones, metabolic parameters and erectile function in middle-aged vitamin D deficient men. Aging Male. 2017 Mar;20(1):9-16.

Katharina Nimptsch, Elizabeth A Platz, Walter C Willett, Edward Giovannucci. Association between plasma 25-OH vitamin D and testosterone levels in men. Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Jul;77(1):106-12.

98%の日本人が「ビタミン D 不足」に該当 国内初の基準値を公表、植物由来のビタミンDはほぼ検出されず

ビタミンDの健康的なサポート

ダイエットサポートの役割

ビタミンDは、カロリー制限や運動を伴うダイエットに効果的です。オックスフォード大学の研究では、ビタミンD不足の肥満者44人がビタミンDを12週間摂取したところ、体重や体脂肪が減少し、炎症レベルが低下しました。

参考文献

Lotfi-Dizaji L, Mahboob S, Aliashrafi S, Vaghef-Mehrabany E, Ebrahimi-Mameghani M, Morovati A. Effect of vitamin D supplementation along with weight loss diet on meta-inflammation and fat mass in obese subjects with vitamin D deficiency: A double-blind placebo-controlled randomized clinical trial. Clin Endocrinol (Oxf). 2019 Jan;90(1):94-101. 

メンタルヘルスへの影響

ビタミンDはうつ病のリスク低減に関与します。7,534人のデータ分析では、ビタミンD不足がうつ症状と関連していることが示唆されました。

参考文献

Cheng YC, Huang YC, Huang WL. The effect of vitamin D supplement on negative emotions: A systematic review and meta-analysis. Depress Anxiety. 2020 Jun;37(6):549-564. 

骨の形成サポート

ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨の形成を支援します。活性型ビタミンDは小腸でカルシウムの吸収を促進し、骨の材料として機能します。骨の健康維持においてビタミンDは不可欠であり、くる病や骨軟化症、骨粗鬆症の予防に重要です。

参考文献

Shaker JL, Deftos L. Calcium and Phosphate Homeostasis. 2023 May 17. In: Feingold KR, Anawalt B, Blackman MR, Boyce A, Chrousos G, Corpas E, de Herder WW, Dhatariya K, Dungan K, Hofland J, Kalra S, Kaltsas G, Kapoor N, Koch C, Kopp P, Korbonits M, Kovacs CS, Kuohung W, Laferrère B, Levy M, McGee EA, McLachlan R, New M, Purnell J, Sahay R, Shah AS, Singer F, Sperling MA, Stratakis CA, Trence DL, Wilson DP, editors. Endotext [Internet]. South Dartmouth (MA): MDText.com, Inc.; 2000–. PMID: 25905252.

免疫サポート

ビタミンDは免疫機能の活性化に貢献します。メリーランド州の研究では、ビタミンDが大腸菌を殺すマクロファージの能力を増強することが示されました。体内の病原体排除においてビタミンDは重要な役割を果たします。

参考文献

Flanagan PK, Chiewchengchol D, Wright HL, Edwards SW, Alswied A, Satsangi J, Subramanian S, Rhodes JM, Campbell BJ. Killing of Escherichia coli by Crohn’s Disease Monocyte-derived Macrophages and Its Enhancement by Hydroxychloroquine and Vitamin D. Inflamm Bowel Dis. 2015 Jul;21(7):1499-510.

心臓病発症リスクの低減

心不全患者の研究では、ビタミンD濃度が低いことが示されています。心不全患者の血中ビタミンD濃度が20ng/ml未満であることが確認され、心臓機能との関連が示唆されました。ビタミンDは心臓病リスクの低減に影響を与える可能性があることが示されており、今後の研究が期待されています。

参考文献

Saponaro F, Marcocci C, Zucchi R. Vitamin D status and cardiovascular outcome. J Endocrinol Invest. 2019 Nov;42(11):1285-1290. 

ビタミンDの効果的な摂取方法

ビタミンDの摂取量

日本人の食事摂取基準では、成人の男女に対し、1日のビタミンD摂取目安量を「8.5μg」と定めています。食事だけでの摂取が困難な場合には、サプリメントによるビタミンD摂取は有効な選択肢です。

また、皮膚でのビタミンD合成を促すためには、適度な日光浴が有効ですが、日照が少ない地域や季節では食事やサプリメントによる補給が効果的です。例えば、季節によって那覇と比べて札幌では、9倍以上の日光浴時間が必要だったりとビタミンD合成に必要な日光浴の時間は、地域によって大きく異なります。

参考文献

Miyauchi M, Hirai C, Nakajima H. The solar exposure time required for vitamin D3 synthesis in the human body estimated by numerical simulation and observation in Japan. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2013;59(4):257-63.

ビタミンDと相性のいい成分

ハーバード大学らの研究によると、ビタミンDと相性がいい成分は「マグネシウム」です。

マグネシウムが相互に作用していることを示しており、ビタミンDの代謝にマグネシウムが必要であり、その摂取量がビタミンDの状態に影響を及ぼすことが明らかになっています。

マグネシウムは、ビタミンDの合成と代謝に必要な酵素の活動をサポートし、ビタミンDの効果を最適化するので、ビタミンDとマグネシウムは相性がいい成分です。

参考文献

Dai Q, Zhu X, Manson JE, Song Y, Li X, Franke AA, Costello RB, Rosanoff A, Nian H, Fan L, Murff H, Ness RM, Seidner DL, Yu C, Shrubsole MJ. Magnesium status and supplementation influence vitamin D status and metabolism: results from a randomized trial. Am J Clin Nutr. 2018 Dec 1;108(6):1249-1258.

ビタミンDの副作用

ビタミンDの耐容上限量は100μg/日です。過剰摂取をしてしまうと、高カルシウム血症や内臓へのカルシウム沈着などのリスクが伴います。ただ、通常の食事でこの摂取量を基本的に越えることはありませんが、サプリメントの多量摂取は、ビタミンDは脂溶性で体外排出が難しいため、過剰摂取には注意が必要です。

まとめ

ビタミンDは、テストステロンや性機能改善に有効な成分です。

継続的に摂取し続けることが成果を実感するために必要なので、普段の食事や日光浴で十分な摂取が難しいと感じる場合には、サプリメントを利用するなど価格帯を含めて、継続しやすい方法を選択することが重要になりますね。

また、ビタミンD単体だけでなく、ビタミンDの合成と代謝に必要な酵素の活動をサポートする「マグネシウム」など相性がいい成分を同時摂取するなど、「適切な成分量」と「適切な組み合わせ」を考えた継続的な摂取はとても大切です。